確認済みの事実:「NEXT FUNDS MSCIジャパンカントリー指数(セレクト)連動型上場投信」(銘柄コード2643)は、2026年9月17日に最終売買を終え、9月18日に東京証券取引所で上場廃止となりました。信託終了日は9月24日、償還金の支払い開始は11月2日の予定です。
ETFも株式と同じように上場廃止になることがあります。今回はこの事例をもとに、NISAで保有するETFが上場廃止・繰上償還になったとき、何を確認すべきかを整理します。
何が起きたか
運用会社の野村アセットマネジメントによると、このETFは受益権口数が50万口を20営業日連続で下回り、約款に定める解約事由に該当しました。2021年7月の設定から約5年で繰上償還となります。
9月15日には、繰上償還に向けて保有する現物株式の売却と株価指数先物の全決済が実施されました。そのため、上場廃止前であっても、その後の基準価額は連動対象指数の値動きに連動しない状態になっていました。
背景
ETFは指数に連動する仕組みが注目されがちですが、運用を維持できるだけの純資産や受益権口数、売買の厚みも重要です。規模が小さく、資金流出や口数減少が続けば、約款の条件に基づいて繰上償還されることがあります。
市場の見方:上場廃止は発行企業の経営破綻と同じ意味ではありません。ETFの場合、信託財産を換金し、費用などを反映した償還価額が受益者へ支払われるのが基本です。ただし、予定より早く運用が終わり、投資家が再投資先を探す必要が生じる点は重要です。
投資家への影響
上場廃止が決まると、整理銘柄の期間中に市場で売却するか、信託終了まで保有して償還金を受け取るかを検討することになります。市場売却では売買価格と基準価額の差、出来高、売買手数料を確認する必要があります。償還まで保有する場合は、入金時期や受取方法、税務上の扱いが通常の市場売却と異なることがあります。
今回の銘柄はすでに最終売買日を過ぎているため、保有者は利用している証券会社からの案内、登録している配当金受領方法、償還金の入金予定を確認する段階です。
NISA利用者・家計への影響
運用会社の案内では、NISA口座で保有し、償還金受領時に譲渡損益が生じる場合、その損益にはNISAが適用されず、確定申告の対象になると説明されています。通常のNISA内売却と同じと決めつけず、証券会社や税務署、税理士に確認することが大切です。
また、償還まで資金が動かせない期間が生じると、予定していた積立や資金配分に影響します。生活資金や近く使う教育費を、売買が少ないETFへ集中させないことも家計管理上のポイントです。
FP松尾の視点
FP松尾としての見解:ETF選びでは、信託報酬や指数だけでなく、純資産総額、出来高、売買価格と基準価額の乖離、約款の繰上償還条件まで確認したいところです。特に長期保有を前提とするNISAでは、「安いから」「テーマが面白いから」だけで小規模ETFを選ばないことが重要です。
注意点・反対の見方
小規模ETFがすべて早期償還されるわけではなく、大規模ETFなら必ず安心というわけでもありません。また、上場廃止の決定後に慌てて売ると、流動性低下による不利な価格で約定する可能性があります。公表資料の日程と保有状況を確認し、税務を含めて比較する必要があります。
まとめ
ETFの上場廃止では、価値が直ちにゼロになるわけではありませんが、市場売却の期限、指数連動の終了時期、償還日、入金日、税務の扱いを確認する必要があります。NISAで長期保有するETFを選ぶ際は、運用規模と流動性も商品選びの条件に加えましょう。
参照:日本取引所グループ「上場廃止等の決定」/野村アセットマネジメント「信託終了にかかる約款変更のお知らせ」(PDF)/保有する現物株式等の売却のお知らせ(PDF)
