「公的医療保険があるから民間の医療保険は不要」「病気は誰にでも起こるから全員必要」。どちらも言い切りすぎです。必要性は、医療費だけでなく、治療中の収入減、貯蓄、家族構成、勤務先制度まで含めて判断します。

結論

まず公的保障と勤務先の制度を確認し、治療費の自己負担+保険外費用+収入減に貯蓄で対応できるかを見ます。対応が難しい部分だけ、民間の医療保険や就業不能保障を検討します。

公的医療保険でカバーされること

健康保険には医療機関の窓口負担を抑える仕組みがあり、1か月の自己負担が一定額を超えた場合には高額療養費制度があります。上限は年齢や所得区分などで異なるため、具体額は加入先の保険者や厚生労働省の最新案内で確認してください。

会社員などが加入する健康保険では、業務外の病気やけがで働けず、給与が十分に支払われない場合に傷病手当金の対象となることがあります。一方、自営業者などが加入する国民健康保険では同じ給付が一般的ではなく、収入減への備えがより重要になる場合があります。

公的制度

高額療養費の対象は、原則として保険診療の自己負担です。差額ベッド代、食事代、先進医療の技術料、交通費、日用品などは別に考える必要があります。

医療保険を考える3つの不足

1. 医療費の自己負担

高額療養費を使った後も自己負担は残ります。複数月にわたる治療や通院が続けば、負担が積み重なることもあります。

2. 保険外の費用

個室を希望した場合の差額ベッド代、家族の交通費、家事・育児の外注費などは、家族の状況で大きく変わります。入院給付金の日額だけでなく、実際に困る支出を想像します。

3. 働けない間の収入減

家計への影響が大きいのは、医療費より収入減というケースもあります。特に自営業者、歩合給の人、十分な有給休暇や会社保障がない人は、医療保険だけでなく就業不能保障や生活防衛資金も確認します。

必要性が高くなりやすい人

  • 医療費と生活費を賄える貯蓄がまだ少ない
  • 自営業などで休業時の所得保障が薄い
  • 扶養家族が多く、収入停止の影響が大きい
  • 個室利用など、治療時の希望を家計から出しにくい
  • 健康上の理由で、将来の加入が難しくなることを懸念している

不要または小さくできる可能性がある人

  • 生活防衛資金が十分にある
  • 健康保険組合の付加給付や勤務先の休職保障が手厚い
  • 保険料を払い続けるより、目的別貯蓄を優先したい
  • 最低限の保険外費用は自己負担できる

注意

「健康なうちに入れるから」という理由だけで加入すると、保障内容が目的に合わないまま保険料を払い続けることがあります。給付条件、免責、支払限度、更新型か終身型か、解約時の扱いを必ず確認してください。

判断の手順

  1. 加入している健康保険と勤務先制度を確認する
  2. 生活防衛資金から医療に使える額を決める
  3. 治療費、保険外費用、収入減を試算する
  4. 不足がある場合だけ、保障額と保険期間を決める

民間医療保険は安心を買う手段の一つですが、全員に同じ答えはありません。公的保障と家計を先に見れば、必要な保障を過不足なく選びやすくなります。

参考にした公的情報

あわせて読みたい

自分の場合を整理したい方へ

記事だけでは判断しづらい場合は、公的保障・家計・必要保障を一緒に整理できます。

LINEで相談について確認する