金融庁は2026年10月23日、NISAつみたて投資枠の対象商品一覧と概要を更新しました。対象は合計377本で、指定インデックス投資信託287本、アクティブ運用投資信託など79本、ETF11本です。選択肢が多いことは便利ですが、対象商品であることと、自分に適した商品であることは同じではありません。今回は内訳、コスト、商品選びの順に整理します。

何が起きたか

確認済みの事実です。金融庁のつみたて投資枠対象商品ページは10月23日に更新されました。対象商品の概要によると、対象商品は377本。公募投信の株式型が国内67本、内外37本、海外97本、資産複合型が国内6本、内外156本、海外3本、ETFが国内5本、海外6本です。合計すると公募投信366本、ETF11本となります。

詳細一覧では、指定インデックス投資信託が287本、指定インデックス投信以外の投資信託が79本、ETFが11本です。対象になるには、長期・積立・分散投資に適した商品として法令上の要件を満たし、運用会社が金融庁へ届け出る必要があります。ただし、金融庁が将来の利益や元本を保証する制度ではありません。

背景

つみたて投資枠は、毎月分配型を除くこと、販売手数料を原則ゼロとすること、信託報酬に上限を設けることなど、長期積立に向けた基準が設けられています。金融庁資料では、指定インデックス投信の信託報酬率の平均は、国内を投資先とする商品が年0.27%、内外・海外を投資先とする商品が年0.34%です。法令上の上限はそれぞれ0.5%、0.75%と示されています。

対象本数が377本まで広がった背景には、指数、投資地域、資産配分、運用手法の多様化があります。全世界株式、米国株式、日本株式、バランス型、ターゲットイヤー型、アクティブ型など目的の異なる商品が同じ枠に並びます。そのため、本数の増加を『より儲かる商品が増えた』と受け取るのではなく、比較項目が増えたと考えるべきです。

投資家への影響

インデックス投信は、特定の指数への連動を目指すため運用内容が比較的分かりやすく、同じ指数なら信託報酬、実質コスト、連動精度、純資産総額を比較できます。アクティブ投信は指数を上回ることなどを目指しますが、運用方針、組入銘柄、担当体制、コスト、長期実績の確認が必要です。直近の好成績だけで選ぶと、高値圏のテーマへ集中する恐れがあります。

ETFは市場価格で売買できる反面、証券取引所の取引時間、売買単位、指値、出来高、基準価額とのかい離を意識する必要があります。投資信託の自動積立とは使い勝手が異なり、証券会社によって取扱商品も違います。対象商品一覧にあることだけでなく、自分の口座で積立設定や購入が可能かを確認しましょう。

NISA利用者・家計への影響

NISA利用者が最初に決めるべきなのは商品名ではなく、使う時期と許容できる値下がり幅です。10年以上先の資金なら株式中心を検討しやすい一方、数年以内に使う教育費や住宅資金まで株式ファンドへ入れると、必要な時期の下落に耐えられません。生活費6~12か月分などの予備資金を預金で分けることが先です。

複数の商品を買えば必ず分散できるわけでもありません。全世界株式とS&P500を両方持つと、米国大型株が重複します。国内外の株式、債券、REITを含むバランス型は値動きを抑えやすい一方、株式100%より上昇局面の伸びが小さい場合があります。保有商品の中身を合算し、地域と資産の重複を確認しましょう。

FP松尾の視点

FP松尾としては、377本の中から『一番良い商品』を探すより、低コストで広く分散された1本を軸にし、必要があれば目的の違う商品を追加する考え方が分かりやすいと思います。商品数を増やしすぎると、資産配分が把握しにくく、見直しにも手間がかかります。手数料の小さな差だけでなく、途中でやめずに続けられる値動きかを重視します。

注意点・反対の見方

注意点として、信託報酬が低い商品が必ず最良とは限りません。指数の内容、為替ヘッジ、実質コスト、売買コスト、純資産の規模、繰上償還の可能性も確認が必要です。反対に、アクティブ投信のコストが高いから不適切とも限らず、方針と実績に納得できるなら選択肢になります。対象商品や取扱状況は今後も更新されるため、購入時点の目論見書と金融機関の画面で確認してください。

まとめ

2026年10月23日時点のNISAつみたて投資枠対象商品は377本で、指定インデックス投信287本、アクティブ運用投信など79本、ETF11本です。対象商品の基準は長期積立に有用ですが、元本や収益を保証するものではありません。投資期間、資産配分、コスト、純資産、商品の重複を確認し、続けやすい商品を少数に絞ることが家計管理にもつながります。